那須塩原で住宅を襲った熊
4日未明玄関ドアを破ってアパートに侵入しようとした熊。
会津大学の教授の実験では、音の種類はおいておいて、急な音には敏感だという結果。
2023年は全国的にクマの被害が多い
NHKによると、10月までに全国18道府件で過去最高の173人が被害にあったとのこと
県別に見ると
東北地方が多くなっています
秋田で59人、岩手が41人、福島が13人、青森で11人、山形で5人、宮城で2人
長野で10人、新潟で7人、岐阜で6人、富山で5人、北海道で4人、群馬で3人、石川で2人、山梨で1人、福井で1人、三重で1人、京都で1人、島根で1人となっています
各県ではクマの情報やクマ対策について特設サイトを作成しています
岩手県 石川県 宮城県 福井県 秋田県 三重県 山形県 奈良県
岐阜県(地域ぐるみでのクマ対策) 富山県(クマ対策マニュアル) 埼玉県(クマ対策マニュアル)
今年度は栃木での被害は今のところ出ていません
しかし昨年は鹿沼で登山者の被害が報告されています
下野新聞によると
8月14日午前7時50分ごろ、鹿沼市上永野の山林で、登山中だった県南在住、40代男性がクマに遭遇し、両腕をかまれたり引っかかれたりしてけがをした。
鹿沼署によると、両腕のけがは裂傷という。現場は県道上永野下永野線と塩沢峠を結ぶ林道。男性は1人で登山中に体長約1メートルのクマ1頭に襲われたという。自力で下山して近くの住民に助けを求め、住民が110番した。
とありました
クマの目撃情報はあくまでも通報されたもの
こちらのグラフは、栃木の熊の目撃情報の推移です
ここで、注意したいのは8月がピークでその後少なくなってきていることです
目撃数が減っているのは、人間とクマの出会いが少なくなったということです
栃木のクマの目撃情報について
クマの目撃情報は、目撃者が警察へ通報したものが新聞社を通じて報道されたものです
ですから、クマの出没数とは違うので注意してください
目撃者は通行人や近隣住民という記載がほとんどです
通行人の中に登山者が入るのかは分かりません
目撃場所は建物の近くや路上、山林内などの記載が多いです
どうも登山者は通報していないことが多いようです
ですから、ここに記載している場所や数だけを鵜呑みにしないでください
秋以降が危険
秋はクマが冬眠のための餌をたくさん食べる時期です
山に餌が無いと当然里に降りてきます
さらに、餌がないときのクマは当然獰猛になります
この時期のクマには要注意です
秋は人身被害に注意
例年熊の出没のピークは7月から8月
2023年も温暖化で熊の目撃が早いです
山の中に餌が少ない時期は目撃が増えます
秋になると山に様々な樹の実が実り帰って行くのです
しかし、2023年は山に餌が少ない・・・・
里山ではどんぐりが結構落ちていますが、山の上に行くとどんぐりが少ないことに気づきました
どんぐりの少ない理由は分かりませんが、餌を求めて降りてくる熊には警戒しましょう
熊対策
熊鈴
熊鈴については、効果の有る無しの記載が見られます
普段は熊も人との接触は避けます
人の存在を熊に伝えることは熊対策には大変有効です
一方で、里で熊が餌を求めて移動しているときには熊鈴の効果は疑問です
人が居ることが分かっても餌を探しているのですから・・・
人間との接触を避けようとしないことも有ると思われます
登山中に熊と出会い頭に合わないようにするための道具と認識してください
熊スプレー
熊スプレーはどうでしょうか
アマゾンの商品レビューには
安心感のために購入したとの記載が多くあります
実際に使用して助かったという記載は見つけられませんでした
ただ、効果は有るので役に立たないとは言えないと思います
誤射に注意
一方で、熊スプレーが誤って発射されてしまった事故は複数あります
大学構内やロープウェイの中での事故では
ストッパーをしていなかったり、外れたりしたことによるものや
スプレー缶の腐食により、気圧の変化で暴発したものなどです
大きな被害は出なかったのは幸いです
斧やナタ
熊に襲われたら斧やストックで反撃するという方もいらっしゃるようです
しかし手負いになった熊はさらに凶暴になります
数年前乗鞍で熊が大暴れして何人もけがをした事でわかると思います
普通の方が斧やナタで熊と退治することは困難と考えましょう
私の提案
では栃木県の山を安全に登山するにはどうしたらいいのでしょうか
私なりの提案を記載します
① クマの生息域を把握しましょう
栃木のクマの生息域から抜粋した資料によると、那須から日光、鹿沼、佐野、足利には分布しています
この山域ではいつ遭遇してもおかしくないと思って行動しましょう
② クマの行動時期
各県ではクマの行動について様々な情報を流しています
広島県のサイトでは
冬眠の準備に追われる秋は,ツキノワグマがエサを求めて活発に活動する時期です。
クマの生息地域に入られる方や,クマの生息地域にお住まいの方など,クマの被害に遭わないために,クマの特性を知り,それぞれの状況に応じて十分に注意してください。 また,クマを目撃した際には,最寄りの市町役場や農林水産事務所まで,ご連絡ください。
と記載されています
やはり冬眠の準備におわれる秋が一番危険のようです
③ クマの行動時間
宮城県のサイトには
クマの活動時間帯は、朝夕・黎明薄暮時です。この時間帯での行動は特に注意してください。(天気が悪くて薄暗い日は、昼間も活動することがあります。)
また、霧や風のある気象状況や沢沿いは、クマも注意力が散漫になります。注意して行動してください。
と有ります
朝夕の黎明薄暮は特に注意が必要です
③ クマの痕跡
同じく宮城県のサイトには
山を歩いていると、木の樹皮にクマの爪痕や、地面にフンや足跡、樹上には餌を食べるために作った棚のようなもの(クマ棚)を見かけるときがあります。このようなものを見つけたら、近くにクマがいると思って行動し、出来るだけ引き返してください。また、子グマを見つけた場合は決して近づいたりしないで、お住まいの市区町村役場等へご連絡ください。
とあります。
また、クマは獣臭が強いのでそのような匂いを感じたときには特に注意が必要です
このような情報を把握し、このような場所、時期には単独行動を避け、熊鈴やラジオで自分の存在をクマに知らせることが大切なのだと思います