高度計と、DEM補正の威力は驚きです。
インスティンクトの高度計は基本は気圧高度計です。
気圧高度計は、気圧の変化は高度に比例するということを前提に設計されています。
ですから、急激な気象の変化があったり水平方向に大きく移動すると気圧高度計の高度がずれてしまうという欠点があります。
昨日、地図上の標高118mをガーミンの高度に設定しました。
一晩経過すると天気の変化による気圧の変化があったでしょうか、高度計は105mとなっています。
13mのずれが生じました。
これは結構大きな誤差なのでしょうか???
この時計はGPSによって高度を補足できます。
GPSの高度も天候や衛星の補足数などで誤差が出るようです。
GPSで高度補足中です。
近くに建物や大きな木があると精度が悪くなるようですね。
GPS1回目の補測は102m、GPSで高度校正を行ってみると今度は126mとちょっと違いすぎます。
この時計は高度補正は地図からの実際のデータを入力したり、GPSで補足したりして構成することができます。
さらに、位置データを利用してDEM(数値標高モデル)による校正ができます。
試しに実施してみました。
なんと、地図データと同じ標高が示されています。
当たり前ですね。位置データが正しければ、DEMの高度は地図上の高度です。
これは、かなり使えそうです。
また、一度校正をしてしまえば、登山などでは気圧高度計が威力を発揮します。
ためしに、階段を上がりながら測定してみました。
地上の標高が118mです、階段を上がって2階に上がると121mと3m増えました。
さらに、階段を上がると3階で124mとやはり3m増えました。
気象による気圧変化がなければ、ほぼ誤差のない測定ができています。3m程度の高度差があればほぼ正確に測定できるようです。
もちろん、山の天気の変化は激しいので、気圧高度計を麓で校正してもいつも正確になるとは限りません。
インスティンクトには高度の自動校正機能があるので、GPSと気圧高度計をうまく使って高度を表示してくれるのだと思います。
好天時の気圧高度計は優秀
今回気象状況の変化があまりない、高気圧が停滞している日を狙って宇都宮から日光までドライブしながら高度計の誤差を調べてみました。
宇都宮の自宅でDEM校正して出発です。
華厳の滝で1273mの地点で誤差1m。
ほぼ1000m高度を上げて1mとは、気象条件が良かったものの精度の高さに驚きです。
気圧の変化が大きいときには弱い気圧高度計
当然のことですが、気圧の変化で高度を把握しているのが気圧高度計です。
こ好天の時にはかなりの優秀さで高度を記録することができます。
一方で天気の変化が激しいとき(気圧の変化が激しい)時は、高度の誤差がかなり大きくなります。
GPSによる高度の誤差をはるかに超えそうです。
1ヘクトパスカルでおおよそ10m高度が変化するのですから、天候の変化で数ヘクトパスカルずれたら大変な高度変化になるのは当たり前ですね。
気象による気圧変化が多そうなときは、高度校正をまめにやるといいのかもしれませんが、実際の登山ではなかなか難しいですね。
頭の中で、気圧の変化が多そうな日は高度の誤差が大きいと思って行動するのがいいのかもしれませんね。
ちなみに、天気が悪くなる時は気圧が下がるので、高度は実際より大きく表示されます。
天気が良くなる時には、高度は実際より小さく表示されます。
こんな注意をあらかじめ理解したうえで使うといいですね。
実際の登山で使うのが楽しみです。